
プレスリリース
2025年7月1日
【TimeTree未来総研 トレンドラボ】 予定データで読み解く「七夕」 7月7日は1年で最も「愛が誓われる日」? ~8月には「第2の七夕」の存在も浮き彫りに~
株式会社TimeTree(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:深川 泰斗)の社内研究所『TimeTree未来総合研究所』(https://timetreeapp.com/intl/ja/future-research-institute)は、TimeTreeユーザーの予定動向をもとに、「七夕」のトレンドを分析しました。7月7日といえば「七夕」。この日は「織姫と彦星の説話」や「短冊に願いを書く日」として親しまれていますが、TimeTreeの予定データからは、その原点でもある「愛する人と年に一度会える」という物語に共鳴するように、恋人や夫婦が想いを伝え合う日として認知されている実態が見えてきました。
プロポーズや結婚記念日、特別なデートなど、ロマンチックな予定がこの日に集中している傾向は、七夕の説話に現代の人々が寄り添っていることを示しているのかもしれません。願い事を短冊に託す日というだけでなく、関係を深める節目としての七夕が予定の中に刻まれていました。
■分析データについて ・2019年1月1日~2025年6月25日の期間で登録されたデータを対象として分析 (登録ユーザー数は2019年1月時点で1200万超、2025年6月時点で6500万超) ・分析に使用したデータは、匿名性を保つために統計的に処理しています
七夕は「星に願う」だけでなく「愛を誓う日」として定着 「プロポーズ」予定登録が最多に
TimeTreeに登録された予定データから、7月7日の七夕が「人生の大切な節目」として選ばれている実態が見えてきました。2024年の「プロポーズ」予定登録データを分析すると、2023年に最多となった12月24日(クリスマスイブ)を抑え、七夕が1位となりました。

「結婚記念日」としても存在感のある七夕
さらに、2024年11月に発表したトレンドラボでもお伝えした通り、七夕は11月22日の「いい夫婦の日」に続いて2022年、2023年の結婚記念日ランキングでは2位という結果でした。2024年の結婚記念日の予定も見ていくと、またまた2位の結果に!7月7日に結婚を祝うご家庭が多い模様です。

7月7日は、「1年に一度、恋人たちが会える日」という織姫と彦星の物語性や、数字の語呂の良さなどから七夕は想いを伝えるのに最適な日として、プロポーズや記念日に選ばれているのではと考えられます。
星を見に行く、想いを伝える「プラネタリウムデート」の定番化
「星に願いを伝える」という七夕のイメージと直結するスポットといえばプラネタリウム。2024年の予定データでは、七夕が日曜日ということも重なったためか、プラネタリウムの予定登録が最も多かったのが7月7日でした。

天の川や星空をテーマにした演出はもちろん、非日常感あるデート体験ができる空間として注目されています。7月には学生は夏休みに入ることもあり、アニメなどとタイアップしたプラネタリウム企画も登場することから、30代〜40代を中心に人気のコンテンツのひとつとなっているようです。
また、2025年の七夕(7月7日)は月曜日ですが、プラネタリウムの予定数は土曜の7月5日にピークを迎える見込みとなっており、今年は「週末に前倒しで七夕を感じる」人が多そうです。会場によりますが、席数に限りのあるプラネタリウム。今年も七夕の時期にプラネタリウムに行きたいと思っている人は、事前に予約するとよさそうです。


七夕は“もう一度”やってくる?旧暦七夕でのお祭り開催も多い
7月7日がロマンス溢れる日として定着しつつある一方で、TimeTreeの予定データからは、8月にも“第2の七夕”の波があることがわかりました。
2024年7月〜8月の期間中に「七夕まつり/七夕祭り」を含む予定登録数を見ると、7月7日周辺を中心としたピークに加え、8月上旬にも明確な山が見られました。

2024年7月と8月の「七夕まつり」「七夕祭り」を含む予定登録数を都道府県別に分析した結果、それらの予定登録数に地域差が見られました。これは、旧暦に基づく「月遅れ七夕」の習慣や地域の伝統行事の影響を反映しているものと考えられます。
7月と8月の「七夕まつり」「七夕祭り」の都道府県別予定登録数の推移

これらの地域では、7月上旬に「七夕まつり」が開催される傾向が強く、例えば群馬県前橋市の「前橋七夕まつり」や静岡県静岡市の「清水七夕まつり」などがあげられます。

これらの地域では、旧暦の7月7日にあたる8月に「七夕まつり」が開催される傾向があり、宮城県仙台市の「仙台七夕まつり」や大分県大分市の「大分七夕まつり」などが代表的です。
旧暦七夕の地域差と背景
日本では、明治時代に太陽暦(新暦)が導入される以前、太陰太陽暦(旧暦)が使用されており、七夕は旧暦の7月7日に祝われていたそうです。新暦導入後の今でも、旧暦の季節感を重視し、1ヶ月遅れの8月に「月遅れ七夕」として行事を継続する地域が多くあります。これは、農作業の繁忙期を避け、天候の安定した時期に行事を行うための工夫でもあるそうです。地域によっては、七夕が農耕儀礼や先祖供養と結びついた伝統行事としても扱われており、家族や地域コミュニティが参加する文化行事としての側面も強くなっているようですね。
このように、七夕は地域ごとに異なる時期や形で行われており、TimeTreeの予定データからもその多様性が見て取れます。地域の伝統や季節感を大切にしながら、現代のライフスタイルに合わせて進化する七夕の姿が浮かび上がりました。
TimeTree未来総合研究所長 深川泰斗コメント
七夕といえば「願いごとをする日」という印象が強い一方で、TimeTreeに登録された予定データを分析すると、7月7日を中心にプロポーズや結婚記念日、プラネタリウムなど、具体的な行動が集中的に登録されていることがわかりました。
また、8月上旬にも「七夕まつり」の予定が多く記録されており、旧暦の七夕を祝う地域の文化が現在も息づいていることがデータから見えてきます。
七夕は、伝統行事としての意味合いだけでなく、人々が“どのようにその日を過ごすか”によって、記念日としての性格を変化させつつあるように感じます。
カレンダーに記された予定は、日々の生活の積み重ねであると同時に、社会の価値観や関心の移り変わりを映し出す鏡でもあります。
私たちは、こうした行動ログの集積から、未来の暮らしや行事のあり方を見つめ直すヒントを引き出していきたいと考えています。
※調査データの引用を希望される場合は、「TimeTree未来総合研究所調べ」と明記いただき、弊社までご一報いただけますと幸いです。