ブログ

2026年1月13日

TimeTreeは「予定を共有する場」から「未来が届く場」へ

「忙しさは増すばかりなのに、選択肢は増え続けている」

株式会社TimeTree代表の深川泰斗(Fred)は、アプリ開発の原点をそう振り返ります。

仕事、家族、趣味、地域……。私たちの時間は、そうしたいくつものコミュニティと重なり合いながら進んでいきます。けれども一日は24時間。情報が溢れる現代では、“何を選ぶか”という行為そのものが大きな負担になることも。

2026年1月26日から順次アップデートされる「TimeTree」のリニューアルと新機能は、そんな“選ぶ難しさ”を軽減し、一人ひとりの“時間の充実度を高める”もの。

このインタビューでは、新しい機能によって、「TimeTree」がどんな未来を見据えて進化しようとしているのか、深川自身の言葉でひも解いていきます。

忙しくなる社会 「時間」はもっと大切になる

——そもそも、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を開発したきっかけは。

構想を始めた2014年頃、世の中がどんどん忙しくなっていくのを感じていました。実際に今、仕事だけで見てもリモートワークや副業、共働きなどさまざまな働き方があり、多様な時間が入り交じる中でみんなが生活を送っています。

選択肢は増え続けているのに、“私”の時間が24時間であることは変わらない。コンテンツも情報も無限にあるけれど、全てから選ぶことはできないわけです。「明日これにしよう」と選ぶ行為自体が心理的な負担になり得る状況。「時間の価値」はますます高まるだろうと考えました。

もう一つ、予定管理って意外と難しい。

私自身、手帳やカレンダーでスケジュールを管理することが続かないタイプでしたし、「ちゃんと管理しなきゃ」と思うほど負担になる感覚もあるでしょう。一方で、「時間」の使い方は重要になっていく……。

そんな中、「もっと簡単に取捨選択できて、自分の時間を管理できる道具があったら、もっと納得のいく時間が過ごせるんじゃないか」と思ったのが、TimeTreeの出発点です。

——最初から「共有」を前提にしていたのも特徴的ですね。

予定って、ほとんどが自分以外の人との関わりから生まれます。

これは私の体験なのですが、あるとき、子どもの保育園のお迎えをめぐって、夫婦で認識がズレてしまったことがあって。「これは一人で予定管理を頑張る設計だから起きる問題だな」と思いました。

だったら最初から、予定管理に「コミュニケーション」、「共有」を組み込もうと。

予定を共有すること自体が、会話や調整、つまりコミュニケーションになる。そこは最初から一貫している思想です。

“私の時間”を軸に見渡せるカレンダー 

——今回のリニューアルと、新機能をリリースした背景を教えてください。

「TimeTree」は、ずっと段階的な構想を持って進んできました。

2015年リリース当初の「STEP1」は、日々一緒に時間を過ごす身近な人とのコミュニケーションによって予定を管理できる「共有カレンダー」。

「STEP2」は、アーティストのコンサートやゲームの発売日といった、自分が興味関心のある予定情報を受け取れるようになる「公開カレンダー」。

そして最終の「STEP3」は、“その人に合った未来が届く”こと。

今回のリニューアルと新機能は、この「STEP3」の第一歩になります。

誕生から10年にわたり、実際に「TimeTree」をご使用いただく中でわかったことも多く、初めにイメージしていたこととの間に生じたズレを修正し、理想の姿にしていくには、アプリの構造自体を大きく変える必要がありました。 

また、共有カレンダーが評価される一方、ユーザーさんは「家族」「仕事」「趣味」と、複数のカレンダーを行き来しながら使用する構造になっていました。

本来、私たちが叶えたかったのは、それらを“私”の視点で重ねて見渡すことのできるカレンダーです。

必要な予定を重ねたり外したりしながら“私の時間”を確認できる仕様にしたい。そこで今回、アプリの見え方を大きく変更し、必要な予定を一つに集約できる「ホームカレンダー」や、個別のカレンダーを確認できる「カレンダーリスト」として整え、未来の予定候補が届く「みつける」という新しい機能を用意しました。

——「自分軸」で見ることで、どう変わるのでしょうか。

例えば、家族カレンダーであれば、家族の時間の中に自分の時間があるという見え方になりますが、これを自分軸にすると“自分の時間の全体像”が見えるようになります。

忙しさも、余白も含めて可視化されるので、「じゃあ、どう過ごそうか」と自然に“私の時間”と向き合うようになる。

もともと「TimeTree」は一人ひとりの時間の納得度や充実度を上げることを目的に開発したアプリなので、今回のリニューアルや新機能リリースにより、ようやく本来目指していた場所に立てた感覚があります。

新機能「みつける」で届けたいもの 

——新機能の「みつける」は、どんな役割を担うのでしょうか。

「みつける」は、「TimeTree」のミッションである「誘おうをつくる」を一つの形にした進化形の機能だと捉えています。

「共有カレンダー」によってカレンダーが“書いて相談する場”へと変わり、「公開カレンダー」によってフォローしたカレンダーから“欲しい予定が届く”ようになった。

「みつける」はそれをさらに進化させ、未来から新しい予定候補が届き、簡単に選べるようにした機能です。

誰もがカレンダー上で特別な努力することなく“私の時間”を選択できる。

例えば、興味や暮らしに合ったイベントの予定候補が届いたとき、「TimeTree」を見れば全ての状況がわかるから、同じ興味関心を持つ家族や仲間に共有するのか、一人で行くのかも含めて、行く・行かないを早く判断できます。

一つの未来の予定候補が届いたことをきっかけに、空いていた時間が“誰かを誘いたくなる時間”に変わる可能性があるわけです。

だからカレンダー上で未来の予定を提案することは、時間を充実させる上で強い意味があるのではないかと思っています。 

「TimeTree」を予定管理だけではなく、“未来と出会い、選ぶ”コミュニケーションプラットフォームに進化させる。

それが「みつける」の位置付けです。 

—— 韓国最大手の通信事業者・SK Telecomとの提携で「TimeTree」にどんな変化があるのでしょう。

彼らが持つAIエージェント技術に期待しているのは、“予定づくりの負荷を減らす”こと。

選択肢が多すぎる時代に、自分でゼロから選ぶのはしんどい。だからAIに、下ごしらえをしてほしいと考えています。

「TimeTree」には、積み重なった予定データがあります。

それを匿名化・統計化して活かすことで、「注目されている予定」や「準備しておくとよさそうなこと」などが見えてくる。

例えば、インフルエンザの予防接種やアミューズメントパークなど、混雑を避けられるタイミングを知ることができれば、時間を効率的に使えるし、「だったら行ってみようかな」と思える。暮らしの質はぐっと高まるでしょう。

「みつける」で提案する予定候補を、ユーザーさん一人ひとりの興味関心によりフィットしたものにする上で、AIが寄与する部分は大きいと思います。

目指すのは“自分の時間と向き合える社会”

——最後に、「TimeTree」で叶えたい未来は。

「TimeTree」は、予定を管理するためだけのアプリではありません。

時間って、他者がいることにより、調整が必要になって生まれた概念だと思うのです。だから、時間との向き合い方は、社会との付き合い方そのもの。

けれども忙しい毎日を送る中、一人で管理するのはとてもハードなこと。そこでカレンダーを共有することで予定管理のハードルを下げ、迷うストレスや心配事を減らし、楽しみに集中できる状態をつくるために開発されたサービスです。

それと同時に、もしかしたら出会えずに終わっていたかもしれない情報に触れられる、“未来を届ける場”でもあります。

忙しさの中でたまたま選ばれた一日が、あとから振り返ると大切な思い出になる。

「TimeTree」があったから出会えた、そんな素敵な未来が少しずつ増えていく。

これからも、そんな場であり続けたいですね。