「TimeTreeラヂオ」はカレンダーシェアアプリTimeTreeを運営する私たちメンバーが、ふだんの仕事に関係することもそうでないことも、だいたい15分でひとつのテーマを話しきるインターネットラジオ番組です。
今回のテーマは「コブラ効果」について。この2人で話しました!
CEO 深川(Fred @preface)
ブランド コミュニケーション 渡部(Steve @ShinyaWatanabe_)
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(02:10〜)
数字の目標はあくまで目安程度に、意味やつくりたい状態を大切にする
Steve 今日は、いままで15回くらい放送があったんですけど、たまに紹介している「社内制度」とか「社内の面白い仕組み」の紹介なんですけど。「コブラ効果」という、社内用語ではないけど社内でもよく使うワードについて今日は話していきたいと思っています。
その前に……。TimeTreeって全社で売り上げを追いかけようとか、ユーザー数を追求しよう、みたいな文化とかってないじゃないですか?
Fred うん、あまりないですね。
Steve 数字を(一義的な)目標にして頑張る、ってことがないなと感じているんですけど。そのあたりはFredのねらいがあったりするんですか?
Fred 一応、目安として(数値を)置いていたりするんですよね。でも「どうにかして達成するためにはー!」みたいな、そういうノリではなかったりはしますね。でも昔、「今年中に100万ユーザーいくんだー!」みたいなことがあったのはあったんですよね。でもそういう時って、目標立てたときは半年前とかだったら腰を据えて考えられるけど、だんだん3ヶ月前、2ヶ月前、とかなったら「あと1ヶ月で出来て効果が出ることはなんだ!?」ってなってくるじゃないですか。で、あまり本質的じゃない打ち手とかが増えちゃったり。将来の価値を身を削っているような感じになっちゃう。
昔(TimeTreeでも)やったんですよねー。あと2ヶ月で!みたいなときに、アプリを起動したら「お友達にシェアしてください!」みたいなダイアログがいっぱい出るとか(笑)。シェアされると新規ユーザーが増えるかもしれない。でも結局嫌がられるばかりで効果がないので。まあ、多少はあったかもしれないけど。それも「絶対達成するぞ」みたいにやったわけじゃないんだけど、数字って強いから1回(目標で)持つと「とにかくどうやったら(数字を達成できるか)」ってなりがちではあるので。そういうことを避けるために、目安として「これぐらいの数字」、でも大事なのは「こういう意味」「こういう状態」をつくること。状態になること。まあOKRですねー。
Steve その状態になるって目標のための条件のひとつ、みたいな感じですよね。で、いま話した失敗が「コブラ効果」のいい例だと思うんですけど。Fredが必ず入社したとき新入メンバーにウェルカム・プログラム(オンボーディングのプログラム)で話してくれるんですよね!
Fred はいはい、そうですね!
ウェルカム・プログラムで話される「コブラ効果」
Steve ラジオだと絵を見せられないんですけど、Fredが(コブラ効果の説明を)紙芝居にしていまして。これがすごいわかりやすいですよね。これでちょっと、コブラ効果の本質を説明してもらおうと思うんですけど(笑)。
Fred コブラ効果はべつに僕が作った言葉じゃなくて。さっきの数字のことを考えているときにどっかで見つけたんですよね。
Steve Wikipediaにも載ってますもんね。
Fred はい、Wikipediaにも載ってます。言葉の意味は「問題を解決しようとしたんだけど、実際には問題を悪化させてしまった」みたいな効果、事象をコブラ効果っていうそうで。これは由来があって、コブラって毒蛇ですね。昔インドで、野生のコブラがたくさんいて。ひとが噛まれて死んじゃうっていうので、みんな困っていたと。
それで、政府が「コブラ捕まえたら賞金を出します」って報奨金をかけた。
そしたら、みんなが捕まえてコブラいなくなってハッピーになるかと思いきや、悪いひとたちが「お金もらえるならコブラ育てようぜ」って言ってコブラ牧場ですね。コブラを育てて量産して政府に持っていってお金をもらうっていうことをしちゃった。
で、政府が気づいて「それ意味ないじゃん。もう賞金はあげません。」って。
そしたら悪いひとたちは「賞金もらえないんだったらコブラいらない」って育てて増やしたコブラを、牧場を廃棄しちゃって。
前よりもコブラが世の中に増えちゃった……。
っていう、説明が載っていました。僕はいらすとやにある素材で、絵が描けないので色々な素材を組み合わせて、コラージュ技術を駆使して4コマ漫画みたいに説明しました(笑)。紙芝居ですね。超わかりやすいでしょこれ?
Steve 超わかりやすいですね。これは入社1週間以内にこの話を聞くことがあって。コブラの失敗の例をもとに、さっき言ったTimeTreeの失敗もお話ししてくれる。
「コブラ効果」は誰もが陥りやすい!?
Fred これみんなに説明すると、この話(コブラ)はこれ自体は笑い話じゃないですか。「コブラ増えるよねー」みたいな。だからみんな笑うんですけど、実際陥りがちなんですよね。目の前の業務とか目標に一生懸命になればなるほど陥りがちだと思うんですよね。
世の中にもこういう事例っていっぱいあって。たとえば、退会率をさげるために退会フォームが奥の方にあって見つからない、とか。一見数字上は(退会率が)さがって見えるかもしれないけど、放置するアカウントとかヘイト(苦情)みたいなものが溜まっていくっていう。長期的にはよくないことが起きちゃう。
Steve 退会フォームを隠すことによって短期で「退会率を下げよう」って目標はクリアできて、一時的にみんなハッピーになるかもしれないけど、数年って単位でみたら……。
Fred 実はハッピーじゃないんですよね。一時的にも。表面上の数字は変わるけど。
Steve 結局ユーザー側からするとかなり体験が損なわれるので、僕だったらすぐにTwitterに呟いちゃいそうだけど(笑)。
Fred 畑の地面の力、「地力」ってあるじゃないですか。そういうのを一気に使い切っちゃうみたいなイメージですかね。そのあとなにも育たなくなるみたいな。
Steve それをTimeTreeも過去の失敗で体得したっていうのが面白いですね。わかってはいるけど、TimeTreeでも陥っちゃった。
Fred ロングスパンで考えたらだれもやらないと思うんですよね。悪意があるわけでもないし。でも短期、目標が迫ってきて目の前のことに一生懸命になると気づかずにそうなっちゃうなって。コブラ効果の資料を作ったって感じですね。
Steve 名作ですね。いたるところでこれは、メンバーも意識していますよね。
Fred そうですね。Slackにも「コブラってない?」って絵文字とかある。
Steve 本当にコブラってるときとかは周りのメンバーが教えてくれたりもしますね。「それは本質的なのかなあ?」みたいな感じで。そういう文化はありがたいなと思ってますね。
Fred 言葉がいいですよねコブラ効果って。語呂がいい。
Steve じゃあ今日は「コブラ効果」について社内の事例も交えつつお話をしました。みなさんもコブラ効果についていつも心に留めておくといいんじゃないでしょうか。
Fred この力作の紙芝居を共有できないのが残念(笑)。
Steve これ書き起こしの記事もつくるので、そこに入れられるんじゃないかな。本邦初公開!
Fred (笑)
Steve Fredのコブラ効果紙芝居をお楽しみにということで。そんな感じで放送を終わります。ありがとうございましたー。
Fred ありがとうございましたー。
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