TimeTreeのオープン社長報は、CEO Fred(深川 泰斗)が社内に向けて書いた、いま考えていることやメンバーに向けたメッセージをだれでも読める公開版としてお届けします。
第7回目は『「議論が大事」とは一体どういうことなのか』です。
「議論を大事にしている」と社内ではよくみんなに言いますし、会社のコアバリューに関連した話でもよく出てきます。今回は「それって一体どういうこと?」をちゃんと書きたいなと思います。
議論とは「みんなでゼロから意見を出し合う」ではない
いきなりですが、一番誤解されやすいところ。
議論はあくまで「案の精度を向上させる」「施策実施のクオリティを向上させる」「実施後の学習効果をあげる」などの目的のために重要だと考えています。ゼロからみんなでアイデアを出し合ったり意見を言い合って議論すること、全員が等しく意見を出すことが大事ではないと思っています。
では、どういう議論が望ましく効果的なのかを考えてみます。
効果的な議論
(少なくともだれかひとりは)仮説を持っている Whyに対するHowやWhatの方向性など、「これがいいのではないか、なぜなら〜」を持っている
前提条件とその仮説を共有し、悩むべきポイントや論点の認識がある程度揃う
その仮説を叩き台として、足りない観点や補強するためのアイデアを出し合う
仮説があるから情報の精査に流れができて、実現可能性、リスク、期待効果などの評価軸が、みんなの意見で補強されます。さらには仮案の懸念事項が払拭されたり、同じ評価軸で別のアイデアを組み立てることができます。
仮説や論点がないまま意見、アイデアを出し合っても、幹のない枝の寄せ集めになってしまいます。比較評価する軸もバラバラ、前提条件の充足度もバラバラになりがちです。
議論が大事な理由
上記の前提に立って、仮説があって、その上で議論が大事な理由がふたつあると思ってます。
ひとりで案の精度を上げるのはコスパ悪い
意見を出すことでそれぞれの理解が深まる、みんなが主体的に物事を考えられる
「ひとりで案の精度を上げるのはコスパ悪い」はシンプルに、案のリスクや実現課題を考えるには、多様な観点でのレビューが必要です。
ひとりで「いろいろな観点」を持つのは、集中力がいるし限界もある。いろいろなひとからレビューしてもらえば自動的に「客観性」が得られます。
「意見を出すことでそれぞれの理解が深まる、みんなが主体的に物事を考えられる」は、ひとが物事を理解することは「データを流し込んだら、すぐにその知識が活用できる」というようなシンプルなものではなく、受け取った情報を自分が理解できる脳内のフレームやストーリーに紐づけて消化してはじめて理解できるからです。
送り手側と受け手側、両方のコミットが必要な行為だと思います。
案に対して、それぞれが自分の意見を出すことで、意見を出した側の頭の中に理解の構造がつくられ、受動的な行為ではなくより相互的な行為になるという点が、その後の行動をスムーズに、クオリティの高いものにすると思います。
仮説のヒントが欲しいときもある
例外もあります。問題ははっきりしてるけど、それを解決する方法の仮説が全く思いつかない。なんでも良いからヒントが欲しいときもあると思います。
その手がかりを得るために、集まってゼロから議論をはじめるのはアリだと思います。でもこの場合、大勢で集まるよりも、「この人と話したら閃きそう」という人と1対1もしくは少人数の方が手がかりが見つかりやすいかなという印象がありますね。
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