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2020年10月6日

【前編】TimeTreeが新しいデザインになるまでの道のりを、プロジェクトリードのLouisに聴きました!

メンバーインタビュー

9月中頃にTimeTreeアプリのデザインをリニューアルしました🐣

「Main Street Project(メインストリートプロジェクト、以下MSPJ)」と名付けられたリニューアルプロジェクト。2015年にサービスをリリースして5年の節目で、アプリのトップ画面、機能、提供価値を再定義しようとスタートしたR&Dプロジェクトです。

リニューアルのお知らせ

MSPJがなぜ発足したのか? どんな紆余曲折を経て新UIが生まれたのか?プロジェクトリードを務める松田(Louis)にその全貌を聴きました! 

話を聴いたメンバー 松田 駿一 取締役 / サービス企画・バックエンドエンジニア TimeTreeでのニックネームはLouis(ルイ)。2014年に株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)に創業メンバーとして参加。バックエンドエンジニアを担当。現在はプロジェクトリードとして企画・プランニングも担当している。 インタビュー:渡部 晋也(Steve) テキスト:内島 美佳

リニューアルプロジェクトはなぜはじまったのか?

——6月に新しいデザインを一部の方に実験提供しはじめてしばらく経ちましたね。Louisの手応えはどうですか?

Louis ユーザーからのレビューやSNSの反応を見ると思ったよりも高評価で、おどろくと同時に手応えを感じています。とはいえ、まだ手放しでは喜べません。成功の裏付けとなるデータが出揃うまでは不安なんですよね(笑)。

——データの裏付けは大事ですよね。私だったら手放しで喜んじゃいそうですが(笑)。 さて、今日はMSPJについていろいろと聴いていきます!

——MSPJは「ここさえ見れば自分の予定に関連したこれからの大まかな情報がわかる・出会える」メインストリート(大通り)を作り出すためのプロジェクトですよね。前バージョンまでのアプリに大きな課題はないと思ったんですが、なぜ今回大幅なリニューアルをしたんですか?

Louis TimeTreeは今まで「カレンダーシェアアプリ」としてみなさんの支持を得てきました。でも実は、僕らの目指すものやTimeTreeの存在意義はもっと先にあるんです。

それは「予定管理のあり方を変える」こと。カレンダーシェアで実現したひと同士の予定をつなげるのはその一つですが、それだけでは不十分だと思っています。

——予定管理のあり方を変える。TimeTreeのミッションですよね。Louisが考える予定管理の新しいあり方って、たとえばどんなものですか?

Louis たとえば、TimeTreeを確認すればいつ宅配便が届くのかがすぐに分かったり。近所のスーパーで特売があることが分かったり。子どもに聞かないと見逃していた学校行事の予定が分かったり。毎月のカードの引き落しが自動的に分かったり……。そんなカレンダーがあったら素敵だと思いませんか?

世の中にある様々なサービスや情報とTimeTreeをつなげることで、自分で管理しなきゃいけないことが少なくなって日々の生活がもっと楽になり、思いがけない予定との出会いが生まれてより良い明日を選ぶヒントが提供できるのではないかと考えています。

——「明日をちょっとよくするために」はTimeTreeのブランドプロミスでもあります。カレンダーに予定を登録してそれを誰かと共有できる機能は、人と人の予定をつなげる手段のひとつなんですね。それだけではTimeTreeが目指す未来はまだ遠い、と。

Louis そうですね。今までカレンダーシェアをメイン機能としてやってきたので、ユーザーは当然簡単に予定を共有できるカレンダーを求めています。その状態で突然新しい機能を追加しても使ってもらえないだろうと考えてました。

だから、「予定を簡単に共有できるだけのサービス」から脱却してTimeTreeの理想へさらに成長するために、なにが必要か模索するプロジェクトを立ち上げました。それがMSPJの元々のはじまりです。

カレンダーからの脱却!? MSPJはなにを変えたのか

——共有カレンダーからの脱却を目指すために始まったプロジェクト。発足後はどのように進んでいったのですか?

Louis まずはサービス全体の整理からはじめてみました。

現状のTimeTreeを使う人の「認識」とサービス構造で整理

TimeTreeには家族やパートナーとシェアするカレンダーの他に、カレンダー全体を一般公開できる機能(公開カレンダー)、ひとつの予定単体でも共有できる機能(予定単体共有)などがあります。

使う人側に立つと、大半のユーザーからTimeTreeは「予定を簡単に共有できるカレンダーサービス」と認識されています。この認識があるので、新しいコンセプトを元にした機能を追加しても使いづらいものになってしまう。サービス全体が複雑にもなってしまいます。

当初理想としていたサービス認識とTimeTreeの機能構造

元々は、ユーザーのサービス認識を僕たちが理想としている「共有カレンダーに限らず、いろいろな予定と繋がれるすごいサービス」へとジャンプアップしてもらうために何ができるかを考えていました。

でもそれってすごく難しくて企画段階で相当悩みましたね……。

——現状のサービスに慣れ親しんだひとの「当たり前」を変えるのは、一筋縄ではいかなさそうですね。

Louis 企画を考えている頃は、家に帰ってもずーっと頭の中でモヤモヤ考え続けていました(笑)。僕らが「価値統一のアイデア」と呼んでいるものの肝をひらめいたのも、子供を寝かしつけている時でしたしね。

——価値統一のアイデアってなんですか!?

Louis さっき話したみたいに当初は、TimeTreeを使う人たちのサービス認識を「予定を簡単に共有できるカレンダー」から「あらゆる予定と繋がる・出会えるサービス」に変えていきたいと思っていました。

でもいろいろなデータを分析したり、ユーザーの声を聞くとやっぱり「簡単に予定を共有できる便利なカレンダー」が求められている。だったら、その求めに真摯に応えよう!と(笑)。そこで生まれたのが「価値統一のアイデア」だったんです。

——潔いですね!(笑) それにしても大胆な方向転換でしたね。「価値統一のアイデア」は具体的にどういう内容なんですか?

Louis わざわざユーザーの認識を改めてもらう必要がないって思ったんですよ。それってものすごく大変なことだし、ユーザーにとっても全然うれしくない。だったら僕らが提供する価値をすべてカレンダー、つまりユーザーが一番見て使ってくれているところに一本化すればいいんだと気づいたんです。

ユーザーの認識を変えるのではなく、サービスに関する自分たちの認識を変えた

この考えが思い浮かんで整理できたときは「これだ!」と思いましたね。ユーザーの認識とサービス構造がシンプルになり、私たちもより柔軟に戦略を作れるようになった気がします。

ただ、この先が大変でした。アイデアを何とかしてプロダクトに落とし込まなければならないわけですからね......。

記事は後編へとつづきます💁🏻

MSPJでプロジェクトリードを務めたLouis

【後編】幻のプロトタイプと「壁掛けカレンダー」

後編は新デザインにたどり着くまでに作ったプロトタイプを紹介します!

【後編】TimeTreeが新しいデザインになるまでの道のりを、プロジェクトリードのLouisに聴きました!