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2018年12月7日

スタートアップだからこそ、社内制度はみんなで創る。

メンバーインタビュー採用

TimeTreeの文化は、自由なワークスタイルやユニークな社内制度が特徴です。なぜそのような文化にしているのか、背景にある思想を代表の深川(Fred)に聴きました。


私たちTimeTreeは”毎日に、新しい「なくてはならない」を創る。”をビジョンに掲げ、累計1000万ユーザーを超えるスケジュールシェアアプリ「TimeTree」を運営しています。

TimeTreeで自由自在なワークスタイルでパフォーマンスを上げながら、「自分らしさ」を大切にしたライフスタイルを貫く社員のストーリーをお届けします。

今回は、CEOの深川に、TimeTree, Inc.の自由なワークスタイルの根本にある思想やユニークな社内制度、求めている人材像などについてお話を伺いました。

話しを聴いたメンバー 深川 泰斗 CEO TimeTreeでのニックネームはFred(フレッド)。九州の大学院で社会学を学び、2006年にヤフー株式会社へ入社。ソーシャル・コミュニケーションサービスの企画を担当。また、在籍期間の中ではカカオジャパンに出向している時期もありました。2012年にヤフー株式会社と株式会社カカオジャパンのジョイントベンチャーへ出向後、2014年に株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)を共同設立して現在に至る。 取材:西村創一朗(株式会社HARES) テキスト:栗崎 恵実

「子育てにまみれる必要があれば、まみれてください」

——JUBELEE WORKS(現 TimeTree)は創業1年足らずでメンバーの育休をOKするなど、これまでのスタートアップにはない新しい取り組みや面白い試みに積極的です。なぜそうするのか、思想を教えていただけますか?

TimeTreeはお陰様で多くのユーザーに使っていただいていますが、スタート時点で何を作れば売れるかなんて、分かりません。新しいテクノロジーがどんどん生まれ、それに伴い新しい課題も次から次へと出てくる中で、世の中の空気感やカスタマーの潜在需要を感度高くキャッチしてサービスに落とし込み、ヒットさせていくには、誰かひとりの天才的な人物が作り上げるよりも、多様なメンバーの小さな“気づき”を生かす方が重要だと考えています。

ここはこうしたほうがいいとか、もっとこうしたほうが便利だとか、そうした1人1人の“気づき”を生かす。それができる組織にしたいという想いが根本にあります。

そのために、メンバーそれぞれに自分にとって働きやすい、パフォーマンスを出しやすい働き方を選んでもらっています。なぜ創業してまだ間もない頃にメンバーの育休取得希望を受け入れたかというと、私たちはサービスを生み出す立場にある一方で、いち消費者でもあるからです。消費者としても真っ当な感覚、リッチな感覚がないと、アイディアの種になる「気づき」は生まれません。

TimeTreeや会社の成長につながるアイディアを生むために子育てにまみれる必要があるのであれば、子育てにまみれてください。出社前に映画館で気になる作品を1本観てきた方がベストをつくせるのであれば、観てきてください。そんなスタイルにすることでメンバーの“気づき”を発芽させ、サービスに生かしてユーザーに還元できるような組織を作っている感じです。

そして、それぞれの“気づき”を生かしてもらうには“自発自立”が必要であって、自発自立を促す環境には“自由”が必要だということです。

——とはいえ、“自由”だと言われてもどうしたらいいか分からない、どういう働き方や環境であれば自分のパフォーマンスが上がるのかを認識できている人はさほど多くないと思うのですが、そのあたりはどうやってクリアしているのでしょうか?

メンバーには入社時に「未来永劫このスタイルでやっていくかは分からない。ただ、根っこにあるのはこういう思想で、そのために一番いいやり方を作っていきたい」という話をしています。若いメンバーが増えて「自由だと言われても困ります!」という事態が起きた時には、どうすればいいかを一緒に考えて作っていこうというやり方です。

ただ勘違いしないでほしいのは、出勤時間が自由だったり、リモートワークを好きに選べたり、パソコンや本などを自由に購入できたりするのは、決して会社のサービス精神が旺盛だとか福利厚生が充実しているという話ではないということ。そうではなく、みんながパフォーマンスを発揮しやすい仕組み自体を、みんなで相談しながらゼロから作ってきたのだというプロセスが重要なのです。「会社を創る」部分に関われるのが一番楽しいところなんじゃないかと思っています。

社内制度にも全てWhyがある

——2014年に創業してからこの4年間で作ってきた制度や仕組みにはどんなものがありますか?

制度というあまりかっちりした形ではなく、習慣的に続いているようなものもあるのですが、例えば、毎日通うには大変すぎるくらい遠方から入社を希望してくれたメンバーがいたので引っ越し補助を作ったり、韓国など海外出身のメンバーも多いのですが、家族の病気等によって一時帰国の必要が生じたメンバーには家族見舞いの補助を作ったりしました。不公平にならないように、徒歩圏内で交通費手当が出ないメンバーだったら、代わりに住宅手当を支給しようとか。

何か問題が起きた時に、会社としてどうやったらこのメンバーの力になれるのか?今後同じような状況になった人にどうすれば公平に力になり続けられるのか?という観点でコーポレートのメンバーや経営陣で話をし、制度を作っています。もちろん、資金が潤沢にあるわけではないので、無理のない範囲で、その人だけが特別対応にならないように1〜2年の間でどのぐらい起こりうるケースなのかなどを考慮しながら都度判断しています。今ある制度も、あまりにも利用対象者が増えたら見直しをかけるかもしれません。

——メンバーの個別事情から始まったオーダーメード型のヘルプを、最終的には会社で働くメンバーにとっても有益になるような制度に昇華させているということですね。

そうです。これは当社の特徴でもあるのですが、作った制度の1つ1つには、何のためにこのルールがあるのかという“Why”があり、全員が閲覧できるような形で説明書きがされています。私たちが「この人と一緒に働きたい!」と思う人にジョインしてもらっているのに、その人たちが働きやすくするための環境整備をケチるのは機会損失だと思っているので、そういう想いも含めて「本でも何でも買ってください。試したいサービスがあるなら試してください」と説明しています。

——そこにあるのは徹底的な性善説というか、社員への信頼ですよね。業務に参考になりそうなものであれば何でも購入していいのですか?

特にアイテムの制約はありません。皆と話すために漫画を買っている人もいます。買ったものはシェアするルールになっていて、これは面白かったとか、業務の役に立ちそうだといった情報があれば、Slackの"#book-share"チャンネルでサマリを社内向けにまとめて投稿しています。

充実のウェルカムプログラム

——新しくメンバーを迎えるに当たり「 JUBILEE WORKS Welcome Program」を用意しているのだとか?

はい、当社はコミュニケーションの仕組みをすごく大切にしているんです。新しく入社していただく方とはまず1週間、私と毎朝30分のミーティングをします。会社の思想を知っていただくために、TimeTree, Inc.のミッションやコアバリュー、事業の状況などを1日1テーマで説明しています。

また、「ファーストミーティング」というものがあって、既存メンバーとのコミュニケーションパスを早く作れるように、「2on1」(既存メンバー2人×新メンバー1人)の形ですべての社員と直接話す機会を作っています。既存メンバー2人の組み合わせは、普段会話が多くないメンバー同士を当てたりもします。組み合わせは私が決めているのですが、結構大変なんですよ(笑)その分評判は良く、私のささやかな楽しみになっています。

この他にも、会社への意見を聞いたり、周囲で何か困ったことがないかなど問題発見の場となる「1on1」や、新メンバーのスムーズなジョインを助けるための「ブラザー制度」なんかもあります。新メンバーには困った時の第一相談窓口としてブラザーがつき、このブラザーが日程調整をして歓迎会の場をセットしたりします。ちなみに歓迎会では必ず、参加できるメンバーと新メンバーで「Welcome人狼ゲーム」をします。ボードゲームなどは性格が出ます。見えない一面が見えたりするので面白くて、もともと社内でよくやっていました。

——新しくジョインするメンバーがなるべく早くチームに馴染め、安心してパフォーマンスが発揮できるように気を配っていることが伝わってきます。ウェルカムプログラムを作ろうと思ったキッカケは何かあったのでしょうか?

特にコレというキッカケはありませんが、出社時間が自由など色々と特殊な部分がある会社なので、新たに入社いただく方には、それまでの働き方と全く異なるスタイルに戸惑う方もいるのではないか、ちょっとスイッチを切り替えてもらわないと働きにくいのではないか、と思って、こうした複数の仕掛けを用意しました。

TimeTree, Inc.としては働き方についてはこういう風に整理しているんだっていう根本思想である”Why”を分かってもらわないと、ただ単に自由だと言われても、どこまでがOKでどこからがNGなのか判断をつけられませんから。

トライ&エラーを楽しめるDIY精神に溢れた人に来てほしい

——一緒に働くひとに期待することはどんなことですか?

当社は速いスピードで成長を続けています。創業当初と比べてメンバーもだいぶ増えました。今後まだまだ人が増え、会社の規模が大きくなっても今と変わらずメンバー1人1人がその人にしかできないアウトプットを生み出し続けられるような仕組み作りが必要です。

エンジニアだから、人事だからと職種や部門にかかわらず、社員みんながDo It Yourselfの精神を持って、日々の仕事やチームに向き合う組織でありたいと思っています。

社内の仕組みや制度一つとっても、色々なことを面白がって企んでみて、これはみんなの反応がイマイチだったから止めようとか、これは良かったから続けようといったトライ&エラーを楽しめる人、「会社を創る」というチャレンジを面白がってくれる人と一緒に働きたいです。

例えば、必要なものはアイテムの制約なく好きに買っていいといっても、具体的な運用を考える作業は面倒だし大変だと思います。そこを面倒だと思わずに、どういう“Why”のためにこうするのだ、とどうにかして実現しようとするスタンスであってほしい。他にも、例えばメンバーのパフォーマンス発揮につながる経費精算のやり方はどんなものかなど、一緒に考え抜いて仕組みづくりを面白がってくれたら嬉しいですね。

——現在、コーポレート部門には何名いるのですか?

CEO、CFOの他、総務や採用を含む人事周り、経理やCSなど諸々のことをやってくれているメンバーが3名います。少し特殊なのですが、このメンバーに限らずエンジニアやデザイナーも、来客用のお茶を買ってきてくれたり、掃除やゴミ捨てといったオフィス周りのことをやってくれています。

——そういうのは皆さん嫌がらないのですか?

これもウェルカムプログラムの中で話すのですが、セクショナリズムを起こしたくないんです。完全な分業制にしてしまうと、立場によって“Why”が変わってしまい、よくありがちな「これだから営業は…」「これだからエンジニアは…」といったすれ違いが起きてしまう。そうではなく、皆で同じ“Why”を共有していたいと思うのです。だから、コーポレートメンバーにもユーザーの声を聞いてもらい、サービスの喜ばれている点を理解してもらったり、エンジニアやデザイナーにも自分たちのオフィス環境作りに関わってもらったりと、できるだけ皆で関わるようにしています。

——部門のカベを越える「越境スタイル」を大事にしているということですね。

そうやって皆でシェアしながら関わっていると、オフィス関係で何か不便なこと、非効率なことがあった場合に、エンジニアがテクノロジーで解決してくれる、といったことが起こります。

例えばこんなケースがありました。エンジニアのメンバーが、ゴミ捨て当番を忘れがちなことに課題感を持っていました。そこでモニカという、「おは」と打つと出勤時刻を、「おつ」と打つと退勤時刻を打刻するシステムがあるのですが、ゴミ捨て当番も、このモニカが昼過ぎにランダムにアサインしてくれる仕様にしてくれたのです。「今日は●●さんゴミ捨て」という風に。リモートワーク中の人にゴミ捨て当番が当たったりすることもあったのですが、それはリモートフラグを追加することで解決。モニカに「リモートおは」というと、リモートのフラグが立つ。フラグが消されたら、ゴミ捨てメンバー候補としてモニカに認識される。

エンジニアって不合理なことを嫌うじゃないですか。だから空いた時間でやってくれる。みんなとてもありがたがっていますね。こうした事例がたくさんあります。オフィスのことはコーポレートメンバーに一任するのではなく、エンジニアもデザイナーも、皆でやろうというスタイルを大事にしています。

——サービスに限らず、制度や仕組みも皆で“会社創り”をしていこうよというスタンスがあるので、いろいろなところにDIY精神が溢れているんですね。

人事や経理など、コーポレート部門の担当者が勝手に作ってやっていきます、ではなく、顧客満足度・従業員満足度をどうやったら最大化できるか?メンバー一人ひとりが自分らしい働き方をデザインするために、どうやったらコミュニケーションを円滑にできるか?といった視点で自ら考え、どんどん動いて前に進んでいける人にとっては、きっとTimeTree, Inc.はポジティブに楽しめる環境だと思います。

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