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2018年12月18日

「ユーザーの生活に溶け込む広告を作りたい」TimeTree Adsの開発秘話

メンバーインタビューTimeTree Ads採用

TimeTreeの開発・運営メンバーの働き方や大切にしている考え方を紹介するインタビューシリーズ。今回は「TimeTree Ads」の広告企画を担当する吉本(Anju)の働き方を紹介します。


私たちTimeTreeは”毎日に、新しい「なくてはならない」を創る。”をビジョンに掲げ、累計1000万ユーザーを超えるスケジュールシェアアプリ「TimeTree」を運営しています。

TimeTreeで自由自在なワークスタイルでパフォーマンスを上げながら、「自分らしさ」を大切にしたライフスタイルを貫く社員のストーリーをお届けします。

今回は、「TimeTree Ads」の広告企画を担当されている吉本さんにユーザーに寄り添ったプラットフォームの構築やデータの強みを生かした広告プロダクトの設計についてお話を伺いました。

話を聴いたメンバー 吉本 安寿 Growth & Business Platform マーケティング責任者 1985年生まれ。TimeTreeでのニックネームはAnju(アンジュ)。新卒でヤフージャパンへ入社して新規広告プロダクト企画や広告商品企画業務に従事した後、13年にカカオジャパンに出向しサービス企画業務を担当。15年にJUBILEE WORKS(現 TimeTree)に入社し、TimeTreeのサービス企画とマーケティングを担当。 取材:西村創一朗(株式会社HARES) テキスト:於ありさ

カレンダーアプリならではの強みを生かしたインフィード広告

——TimeTree Adsとはどんな広告サービスですか?

TimeTreeのアプリを開いた時にフィード部分に掲載される広告プロダクトで、一般的にインフィード広告と言われるような体裁を取っています。

フィードは、TimeTreeを開くとよく確認される場所で、予定が登録された際の新着情報や、変更された際の更新履歴、コメントなどの新着アクティビティを確認できる場所のこと。そのため、ユーザーの方の目につきやすいのが特徴です。

——TimeTree Adsならではの特徴としては、どういったものがありますか?

まず1つがカレンダーアプリなので、コンバージョンが予定の作成になるという、他では無いフォーマットがあるっていうのは大きな特徴ですかね。

具体的には、広告をタップするとTimeTreeの予定作成画面が開き、そのままカレンダーに登録することができます。だから、イベントや期間限定キャンペーンなど、日時が確定している商品の訴求に有効で、アマゾンジャパンのプライムデー2018の訴求ではCVR(予定化率)が約9%と非常に高いパフォーマンスが得られたという実績がありますね。

イベントの他には、ドラマの初回放送日なんかの訴求も相性が良いと思います。

——カレンダーアプリならではの特徴ですね!

あと、もう1つが旅行予定や育児関連、記念日予定など予定にターゲティングできる広告商品を何個か用意していることです。今までのターゲティング広告って過去のいいね情報とか、興味関心に基づいていたものがメインだったと思うのですが、カレンダーアプリならではの強みとしていつ・誰と・何をするかっていう情報が分かっているので、その情報に基づいてターゲティングが出来るようなメニューを揃えています。

だから、「旅行予定」をターゲティングした場合、旅行に伴いニーズが発生する日焼け止めクリームやスーツケースなどの旅行グッズを訴求することが可能なんです。

ユーザーに「邪魔」だと感じさせる広告設計はしたくなかった

——TimeTreeを活かす、TimeTree Adsの広告の設計面で工夫したことはありますか?

一番はユーザーにとって広告も有益な情報のひとつとして届けたいということです。

例えば、今読んでいるWebページが何秒間か広告を見ない限り開けないというような広告の掲載方法だったりすると、ユーザーにとっても広告主にとってもマイナスな印象も与えてしまいかねません。

そうはなりたくないなと思って、邪魔になるようなものではなくて、広告感をなるべく出さず、上手くアプリに溶け込むようにして、情報を届けるということを大切にしています。

——なるべく広告感を出さないことを心がける理由はなぜなのでしょうか?

実際、広告設計をする時に多少はサービスのユーザビリティを犠牲にしても収益拡大のために広告をできるだけ多く表示したいという気持ちがあるとは思うんですけど、結局ユーザーの方がちゃんと見ていないとなると、パフォーマンスとかにも現れてきて、どちらも幸せにならないと思うんですよね。

結局は地道に邪魔しない広告だったり、本当にユーザーの方にとって有益な広告を作っていくことが成功の道のりなんじゃないかなって思ったのがきっかけです。

——たしかに広告って、マイナスな印象になりかねないですもんね。具体的にどのように広告掲載をしていらっしゃるのでしょうか?

ユーザーとの親和性が高いものを届けるようにしたり、TimeTreeのブランドトーンに合ったものかどうかを意識して掲載していますね。

おかげさまで、2018年7月に正式に開始して以降、さまざまな企業からお声がけはいただいてはいるのですが、TimeTreeユーザーとマッチングするかしないか、トーンに合うかどうかを意識してお断りさせていただいているケースもあります。

逆にTimeTreeユーザーのメイン層である、働き盛りの共働き夫婦にマッチしそうなものは相性が良いのでパフォーマンスももちろん良くなっています。メイン層を考えた時に、家の中になるようなものが相性が良いと思っているので、インテリアや家具のメーカーさんの商品だったり子育て教材、それから洗剤などの消費材などの親和性が高いと感じています。

予定から得るターゲティングでパフォーマンスの効果も増加

——さきほど、マッチングするかが判断基準の1つということをおっしゃっていましたが、マッチングということはユーザーだけでなく広告主さんにもメリットがあるのでしょうか。

もちろん広告主様側の効果も出したいとも考えております。

実際に子育てメディアや子育てアプリでは、ターゲティングしていない広告と、ターゲティングしたTimeTree Adsで掲載した結果を比べた際に、TimeTree Adsでのパフォーマンスの方がCTRとコンバージョン合わせて2倍以上高いという結果が出ました。

CTRの伸び率がそれほど高くなくても、コンバージョンには繋がりやすいという印象ですね。

あと、よくECサイトでSpecial Dayみたいなセールがあるじゃないですか。そこを訴求したいという企業さんにご利用していただいたんです。そしたら、このコンバージョンがめちゃくちゃ高かったんですよね。日付を入れてセールを訴求したところ、一般的に見るよりもかなり高いクリック率をマークしました。カレンダーアプリだからゆえに、予定にするということへのハードルも低いのかなって感じましたね。しかも、予定に入っているとなると、自ずと目が行くからリマインドされますし。そういった数字には表しにくそうな観点でもかなり副次的な効果が高いという印象です。今後は、セールとかアウトレットの情報を入力してくださったとしたら、来店促進まで追えるように、オフラインの行動とつなげられたらベストだなって社内では意見が出ています。

「誠実さ」で勝負したい、TimeTree Adsに関わるメンバーの想い

——吉本さん自身、どのような思いでTimeTree Adsを立ち上げたのですか?

僕自身、広告プラットフォーム自体の立ち上げをやったのは初めてなんですけど、もともとサービス企画とマーケティングに携わっていた経験もあって、あまり広告をやるっていう意識はしていなかった気がします。

広告もいわゆるマッチングプラットフォームに近いと思っていることもあって、欲しい人と欲しい情報をつなげるサービスを立ち上げる、そんな感覚で取り組みましたね。

——これまでの経験がTimeTree Adsへ繋がっているなと感じることはありますか?

マーケティングやる時に邪魔するところとか、変なところに出さないようにということを心がけていたので、そこの精神は受け継いでいるかもしれません。ユーザーの体験を妨げてしまうと、アプリそのものへも、広告主へもネガティブな印象を与えてしまうので。

例えば、電車のドアの横に貼っている電車広告ってありますよね。TimeTreeでも出稿していたことがあるのですが。電車の中って、大抵の人がスマホを見ていると思うんですけど、フッて顔を上げた時に広告が目に入って「あ、こういうのあるんだ」と思わせる。目的が無い時にふと見るような媒体って広告として邪魔にならないマーケティング施策ですよね。

文脈でふと入ってくるようなアプリだと、結果的に印象に残りやすかったりもするので、そういう体験からTimeTree Adsでも同じようにやりたいなとは思いました。

——素敵ですね。今ってチーム編成はどのようになっているのでしょうか?

私と、営業が1人、広告運用が1人、新卒で入った人が1人と、あとはiOSアンドロイドのエンジニアが1人とバックエンドが1人と、それからターゲティングの予定分析をするアルゴリズムなどを作っている人が2人、合計8名ですね。

TimeTree Adsそのものはもちろん、予定分析は広告だけではなくて、サービス側にも発展させて使えることができるので、会社的にも重要なプロジェクトとしての位置付けで取り組んでいます。

―― チーム全体としてはTimeTree Adsにどのような思いを持っていますか?

そうですね。広告意識が強まらないようにということは意識してもらっています。

だから、エンジニアの場合は、広告フォーマットを作ったりするプロジェクトだけでなく、フィードの機能改善などを含むサービス作りも両方経験してもらっているようにしてます。どうしても、広告をだけをやっていると広告意識にどんどん寄ってしまいがちなので...。

広告だけでなく、サービスもやっているので交互に携わってもらって、サービスを体験してもらったらリフレッシュしてもらって、また広告やってもらってというのが理想的だなと体制を整えているところです。

あとは、こちらから口酸っぱく言ったりせずとも、サービスマインドを持っているメンバーが多いですね。やはり広告自体に拒否反応のあるユーザーさんも多いので、エゴサーチをしたり、問い合わせで「広告が邪魔」みたいなのが来たりすると、皆で「これってどれのことだろう」とよく話していますね。

——なるほど。本当にメンバーの方一人ひとりが、ユーザー体験、ユーザー視点っていうのは徹底されているのですね。

そうですね。広告って悪いものと捉えがちなのですが、実はそうじゃないということをユーザーさんたちにどうやったら納得してもらえるか、きちんと自分たちの思いを伝えるようにもしています。だから、TimeTree Adsを始めてすぐに思いをお知らせ欄に書きましたね。

「運営するためには、どうしてもお金は必要になってしまう。でもユーザー様にはずっと無料で使っていただきたいし、出来るだけ機能に制限をかけたりしたくないから、広告事業をやります。その代わり出来るだけサービスに沿った形で広告を導入したいということ、広告をコンテンツとして、出来るだけユーザー一人一人に適切な形で受け入れられるようにすること、この2つをお約束します」

そんな内容のものを載せた結果、ユーザー様からのネガティブな反応が一つもなくて、むしろ「この会社、素敵だね」って言っていただけたんですよ。納得してもらったらやっぱりついてきてもらえるし、応援してもらえるなって感じました。

——「ユーザー体験の邪魔をしない」という思想のもと、ユーザーニーズと情報のマッチングとして広告サービスを提供されているTimeTree Adsのこだわりがよくわかりました。ありがとうございました!

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