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2020年6月9日

Googleも採用する「OKR」。TimeTreeが取り入れた経緯と運用方法を聴いてみた!

メンバーインタビュー採用OKR

今回はCEOの深川(Fred)と、OKR導入を推進するAndroidエンジニアの鈴木(Rio)に、TimeTreeがOKRを取り入れている理由と運用方法を聞きました!

TimeTreeは目標管理に「OKR」を取り入れています。OKRとは「Objectives and Key Results(目標と成果指標)」の略。目標(Objectives)とその達成率を測る数値(Key Results)で仕事の進捗やチームのモチベーションをマネジメントする手法です。

話を聴いたメンバー 深川 泰斗 CEO TimeTreeでのニックネームはFred(フレッド)。九州の大学院で社会学・文化人類学を学び、2006年にヤフー株式会社へ入社。ソーシャル・コミュニケーションサービスの企画を担当。2012年にヤフーからカカオジャパンへ出向後、2014年に株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)を共同設立。 鈴木 諒 Androidエンジニア 1986年生まれ。TimeTreeでのニックネームはRio(リオ)。2016年11月より株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)に入社。Androidアプリ開発を担当。 インタビュー:渡部 晋也(Steve) テキスト:内島 美佳

人事評価とは関係ないからユーザーのことを第一に考えられる

——TimeTreeはいつ頃からOKRを取り入れていますか?

Fred 2年前の2018年に「OKRを取り入れてみよう」という社内ドキュメントを作ってましたね。それ以前は会社全体の主要KPIやロードマップはありましたが、厳密な目標管理はしていませんでした。

なぜなら、目標管理をすることで数値を追うばかりになって、一番大切なユーザーのことが見えなくなってしまうことを懸念したからです。目標達成のために手段を問わずマーケティングやグロース施策を実施した結果、アプリの利便性やユーザー体験を損なうことはしたくないと考えていました。

TimeTreeでOKR導入について議論をはじめたのが2018年4月ごろ

——どんなきっかけでOKRを取り入れたんですか?

Fred 『OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』を読んでうちでも取り入れてみようかな、と思ったのがきっかけです。

「OKRは人事評価とは絶対に切り離す」と書かれていたのが印象的でした。目標管理と人事評価がつながっていると、どうしても「給料を上げるために目標を達成しなくては」という思考になりますよね。行きすぎると「目標さえ達成すればいい」となってしまうこともあります。

目先の目標を達成するのが目的になって、みんなで大きなビジョンを描き追いかけることが難しい。OKRはそうならないかもと可能性を感じたのを覚えてます。数値だけではなく「定性的な目標」「わくわくする目標」を置くのもユニークだと感じました。

——2016年に入社したRioは、OKR導入の前後を経験していますね。はじめの印象はどうでしたか?

Rio Fredから紹介された本を読んで面白い考え方だと思いました!

僕は明確な目標を設定して仕事を進めるのが好きなので、目標管理をしていなかった当時は「目標を立てた方がやりやすいな」と感じていました。

プロジェクトリードはプロジェクトの全体像・目標の進捗を把握していても、それがプロジェクトメンバーに見えづらいこともあった。目標管理が導入されるのはありがたいと思いました。

Fred Rioからは面談でよく「このプロジェクトが何のためのものなのか説明が足りない」と言われていました(笑)。その言葉もOKR導入の背中を押しましたね。

小さくはじめた導入初期、まずは社内への周知から

——OKRの導入はどのようにスタートしたんですか?

Fred 最初は一部のプロジェクトで実験的に始めました。僕たちはどんな手法も最終的にTimeTree流にしたいと考えてます。ただ初めての取り組みで世の中に先例があまりなかったので、まずセオリー通りにやってみました。Rioがすぐに手を挙げてくれて、はじめからOKRの組織への導入推進と運用に関わっています。

Rio 「OKRってなに?」という人が多かったので、事例や参考書籍の内容を共有して、社内にOKRの概念を周知することから始めました。自分も学び始めたばかりだったので、みんなと一緒に試行錯誤できたのは楽しかったです。

導入当初にRioがつくった社内ドキュメント

Fred みんなが楽しく読めるように、真面目なRioが可愛いイラストを資料に差し込んだりしているのを見て、一生懸命さを感じてましたね。でも今思い出すと、いろいろとRioに任せっぱなしだったかもしれないな。

Rio そうですね。

Fred そうですねって言われちゃった(笑)。

Rio TimeTreeは何ごともWILL(意思)のある人が率先してやる文化があります。僕はOKR導入にめちゃくちゃ興味があったので、自然と積極的に関わっていましたね。

TimeTree独自の役割「OKRマスター」とは?

——現在はどのように目標を設定して運用しているのですか?

Fred 年始に会社全体のロードマップを立てます。この段階でOKRは出来てなくて、「1年後にこういう状態になっていたいよね」という理想図です。そこから逆算して、売上やユーザー数の目標を設定します。

次の段階では、年間目標を四半期に割り振って、OKRを作るべきプロジェクトを経営会議で選定します。そのあとプロジェクトごとにメンバー同士が話し合ってOとKRを決めてもらいます。

OKRのいいところはトップダウンではないところです。会社全体で注力する方向性は「フォーカス」として示しますが、プロジェクトごとのOとKRは自分たちで決めてもらいます。上から降りてきたOでは意味がありませんからね。

——目標設定にすべてのメンバーが関われるのはTimeTreeらしくて素晴らしいですよね!

Fred 僕が好きなのは、設定された目標に各プロジェクトのカラーが出るところ。OやKRはもちろん、健康指標(KRを追い求めるあまり損なってはいけないものを定義した指標)は特にユニークです。「楽しさ」や「チームの一体感」など、それぞれのチームが大切にするものが指標に表れています。

健康指標の週次評価の仕方もチームごとに個性があるので見ていて面白いです。みんな楽しそうにやっているよね。

——TimeTreeには「OKRマスター」という独自のポジションがありますよね。役割などを教えてください。

TimeTreeならではの役割「OKRマスター」

Rio Trelloで進捗状況を記録したり、定期的にOKRの振り返り会を設定したり、チームのOKR運用全般をサポートする役割です。

OKR運用をプロジェクトリードだけでやるのは大変です。そこで運用がスムーズになるよう、プロジェクトごとにOKRマスターを置いています。はじめは「OKR係」という名称だったのですが、僕が「OKRマスター」に変えてみました(笑)。

スクラム開発ではスクラムマスターがいて開発の円滑な進行をサポートしますよね。それと同じイメージですね。

Fred プロジェクトリードはプロジェクトの成功に責任を持ち、OKRマスターはチームの成長に責任を持ちます。ずっと同じ人がやるのではなく交代でやることで、メンバー間での知識・知見の平準化も図っています。

定期的に開催するOKRマスターたちの振り返り会には僕も参加してます。目標が達成できたかを評価されることはあっても、達成までのプロセスや、立てた目標自体が適切だったかについて考えることはあまりありません。ここで課題が発見できることもあり、学びの多い会です。

何に注力すべきかが明確になりチームワークが強化

インタビューに応えてくれたFred(左)とRio(右)

——OKRを導入してよかったこと、成果はありますか?

Rio プロジェクトが何にフォーカスしているのかより明確になりました。

フォーカスが明確になると優先順位もはっきりして、「今はこれに注力しています」と軌道修正がしやすくなりました。3ヶ月ごとに目標設定と振り返りをするので、プロジェクトの運用にリズムができたのもよかったですね。

それから、メンバー全員で仕組みづくりと改善を進められたことも良かったです。自分ひとりでは作れなかった制度なので、みんなと一緒に楽しく取り組むことができました!

Fred Rioが働きやすくなったならよかった!

導入当初は「今すぐに導入しないとまずい」というほど切羽詰まってはいなかった。でもあの時導入していなかったら、プロジェクトやメンバーが増えてきたいま、大変なことになっていたと思うので早めに導入してよかったです。

僕が成果を実感しているのは、「注力すべき重要な部分が明確になったこと」と「目標や進捗が共有されてチームワークが強化されたこと」です。

——これからさらに改善していきたい点はありますか?

Rio 目標の設定スキルがチームに依存していてバラツキがあります。目標設定のスキルをもう少し洗練させたいです。目標が良ければ成果も良くなるので、試行錯誤する価値はありますね。

Fred 目標設定は本当に難しい。部門ごとに業務の特性も違うので、「こういう業務だったらこういう目標がある」というガイドを充実させていくしかないのかな。

TimeTreeのOKRはこれで完成形ではありません。今後も改善をくり返してオリジナルにしていきたいと思っています。メンバーみんなで議論しながらTimeTreeのスタイルを確立していきたいです。

——ありがとうございました。目標管理の方法は組織によってさまざまです。TimeTreeらしいOKR運用について、これから仲間になってくれる方々の参考になればうれしいですね!

TimeTreeの採用情報

採用ページに募集ポジションやくわしい内容が載っています。ご覧ください!

https://timetreeapp.com/intl/ja/corporate/jobs